離島留学


Educational Stay

離島留学とは(島っこ留学)
島外の児童・生徒が、離島の小・中学校に通い、豊かな自然や独特の文化が残る離島で勉学に励む離島留学。
対馬市では「島っこ留学」として実施しています。
親元を離れ、里親のもとで、対馬の小学校・中学校に通います。
小学校4年生から中学校3年生までの児童・生徒が対象です。
目指すもの
Aim
暮らしの中で身につける
私たちは、なぜ生きているのでしょう?
食べているから?
実現したい夢があるから?
誰かにとって大切な存在だから?

都市生活者が急増した現代社会では、子どもが自然の中で遊んだり、食べものの生産に携わる機会は極端に少なくなっています。
スーパーに行けば食べ物が手に入る暮らしの中では、農家さん・漁師さんの顔は浮かばないかもしれない。
自然の楽しさや、そこから得られる恵み、そして、それを生み出す人たちの存在を感じられないまま大人になるのです。


私たちの宿舎では、野菜を育て、ニワトリを飼い、たまに、ご近所の農家さんや漁師さんから野菜やお魚をいただきながら、共同生活を送ります。食べものができる過程や、生産の苦労・喜びを知り、自分たちは命をいただいて生きているということを実感します。
このような暮らしでは、たくさんの仕事が必要です。
一人一人が役割をもって、 協力しながら責任を果たす。
その中で協調性や自立心/自律心も育まれます。
このことが、社会の中での自分の存在意義を見出すことにもつながるのだと思います。
私たちが、何のおかげで、誰のおかげで、生きているのか。
私たちは、何を成すために、誰のために、生きているのか。
自分たちの暮らしを支えている「もの」や「ひと」。
暮らしの中でその存在を感じられるよう、子どもたちをサポートします。
宿舎「ひなの里」
Lodge

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居住スペース
和室3部屋・洋室1部屋の計4部屋あり、最大8名の留学生が生活します。
部屋には、ベッド・机・衣装ケース・収納BOXなどが備え付けられています。 -
共同スペース
ご飯を食べたり、留学生同士が団らんする場所。自由に使えるオセロやトランプなどの遊び道具も置いてあり、それぞれが好きに時間を過ごします。
古民家ならではの立派な梁や、いろりなどもあり、築130年の歴史を感じます。 -
図書・勉強部屋
自分の部屋や居間では集中して勉強することができないという子は、勉強部屋として使うことができます。
また、だれでも自由に閲覧できる本も置いてあり、対馬に関するマンガや歴史本の他、絵本から小説、専門書に至るまで幅広い分野の本が所蔵されています。 -
玄関
入ってすぐに、留学生の靴を収納するための大きな下駄箱が目を引く玄関。
近所で採集した生き物たちを飼育する水槽が置かれており、留学生たちを温かく見守ってくれています。 -
風呂・トイレ
留学生が利用するお風呂とトイレは、令和元年度に新しく増築したため、古民家といえど新築部分になります。風呂とシャワーは、ともに薪を焚いて沸かすため体の芯から温まり、湯冷めしにくいお湯質になります。薪風呂にハマること間違いなし!

宿舎は、明治時代に建てられた、築120年超の古民家です。
宿舎の名前は、田舎という意味の古語「鄙(ひな)」に、ここで様々なことを吸収して育ってゆく「雛(ひな)」たちという想いを掛けて、ひなの里と名付けました。
周辺環境
Environment
自然に囲まれ、暮らしのベテランもたくさん!
私たちが暮らす、対馬市上県町(かみあがたまち)志多留(したる)地区は、人口54名、高齢化率60%の過疎集落です。
お年寄りがたくさんいて、子どもがいません(笑)。
皆さんが、志多留の元気の起爆剤になってくれることを、期待しています。
稲作伝来の地とも伝わる志多留地区は、昔は農業・漁業・林業が大変盛んでした。
長年ここで暮らしてきた、志多留のおじいちゃん、おばあちゃんたちは、春は磯で海藻やウニなどを取り、夏は米や野菜を作り、秋は芋を掘り蜂蜜を採集し、冬はシイタケを取り炭を焼き、そして年中沖に出て、旬の魚を獲ってきて暮らしています。
まさに暮らしの達人たちです。


みんなで開拓しましょう!
ところが、今では耕作放棄地ばかりです。
裏を返せば、活用できる場所がたくさんある!ということです。 これから皆さんと一緒に、周辺の開拓をして、畑や水田、果樹園などを作っていきたいと思っています。


休日の体験活動
Day off

食べものを得る
宿舎周辺に整備した畑での収穫作業や、志多留の浜での釣りなどで、食べるものをゲットします。時には、ご近所さんの梅の木から収穫した梅で梅干しをつけたり、お向かいさんの桃を収穫しに行ったりすることも。

生きものとふれあう
みんなでドライブして、体験しに行くこともあります。仁田小・中学校の近くには、日本在来馬の一種「対州場」の乗馬が体験できる施設や、ツシマヤマネコの生態や保護活動について学べる野生生物保護センターもあります。

自然の中で遊ぶ
暑い日にはみんなで海水浴!宿舎からは、歩いてすぐ海に出られます。遠浅の砂浜で、昔はハマグリなどがザクザク取れたそうですよ。登山をしたり、川遊びをしたり、キャンプをしたり...自然の中で思いっきり遊びます。

地域の活動に参加する
地区の皆さん総出で道路わきの草刈りやゴミ拾い。もちろん、地域の一員として、島っこ留学生も参加します。他にも、神社のお祭りや、しめ縄づくりなど、地域の方々との交流の場はたくさん。
ひなの里では、いつもお世話になっている地域の方に向けて、日々のくらしや週末の体験活動について発信するためのニュースレター「ひなの里だより」を発行しています。
ひなの里だよりのバックナンバーはこちら
1年のながれ
One year

この年間スケジュールは、あくまで一例です。スケジュールは、子どもたちが作ります。
4月、これから一年を共に過ごす仲間みんなで、話し合いをします。
対馬でどんなことにチャレンジしたいか、みんなでアイディアを出し合って、スケジュールを決めていきます。
1日の過ごし方
One day


生活のきまり
Rules
共同生活を送るということは、家族とは異なる他人同士が、集団で生活をするということです。スムーズに、気持ちよく過ごすためには、相手の事を考え、思いやりの気持ちを持って生活する事が大事です。
そのために、ひなの里ではいくつか生活のルールを決めています。これらのルールも子どもたちが話し合って決めます。
1. 門限や就寝時間
学校の指導方針を考慮しながら、ひなの里での時間のルールを決めます。
2. テレビや動画の視聴時間
テレビや共用パソコンでの動画視聴などは、制限時間を設けて、ルールの中で使用を許可しています。
3. ゲームについて
ゲーム機の持ち込み、友達との貸し借りは禁止しています。
時間や内容などのルールを設けたうえで、共用パソコンでのみゲームを許可しています。
4. 携帯電話・スマートフォンについて
原則スマートフォンは禁止していますが、携帯電話(ガラケー)は、使用時間と場所を決めて使用を許可しています。また普段はスタッフが預かっています。必要に応じて社用携帯を貸し出ますので、携帯電話の所持は必須ではありません。
5. お手伝い・お片付け
暮らしの中で発生する様々な仕事は、留学生もそれぞれ役割をもって分担します。
各自の居室や共用部分の掃除も、時間を決めて自分たちでします。
スタッフ紹介
Staff

川口 幹子

かわぐち もとこ
川口 幹子
代表理事
対馬グリーン・ブルーツーリズム協会事務局長
略歴
1979年、青森県青森市生まれ。
北海道大学大学院環境科学院生物圏科学専攻博 士後期課程修了(環境科学博士)。
日本学術振興会特別研究員、東北大学大学 院生態適応グローバルCOEフェローを経て、2011年6月、地域おこし協力隊 (対馬市島おこし協働隊)として対馬に着任。任期終了後も、学生と地域を繋ぐ仕事や、環境に関する施策立案支援事業等に従事する傍ら、都市と農村の交流促進や島の暮らしや文化を題材にした教育活動などに取り組んできた。
2016年1月、対馬グリーン・ブルーツーリズム協会の事務局を民営化。事務局長として、農林漁業体験民宿を軸にした観光・教育事業を展開。2018年4月、一般社団法人対馬里山繋営塾を設立。代表理事を務める。地元の漁師と結婚し、現在2児の母。
担当している仕事
島っこ留学生の里親として、都市部から移住してきた小・中学生のお母さん役
各種セミナーの講師など、人材育成事業
国内旅行業務管理者として、観光事業の統括
執筆活動(長崎新聞客員論説委員 等)
総務省過疎問題懇話会委員、長崎県観光審議会委員、長崎県まち・ひと・しごと創生対策懇話会委員、対馬市環境審議会委員、対馬市海岸漂着物対策推進協議会委員などの委員も務める。
保有資格
中学校教諭 一種免許(理科))
高等学校教諭 一種免許(理科)
高等学校教諭 専修免許(水産))
潜水士
PADI ダイブマスター
国内旅行業務取扱管理者

藤川 あも

ふじかわ あも
藤川 あも
教育事業部
企画主任
略歴
1996年、東京都調布市生まれ。
幼い頃、捨て猫を飼いだしたことをきっかけに動物大好き少女に。
その後、動物園の飼育員を目指し帝京科学大学アニマルサイエンス学科に入学。しかし、大学で環境教育と出会ったことで、教育の面白さや大切さを感じ、「環境教育・インタープリテーション研究室」で環境教育について学ぶ。
対馬との出会いは大学3年生の時。ツシマヤマネコの保全について勉強するため始めて対馬を訪れ、その虜に。大学4年生で再び対馬を訪れた際に代表と出会い、言葉巧みに騙され、新卒で対馬へ移住。
担当している仕事
ツアーガイド(バス、トレッキング)
教育旅行のコンテンツ開発
環境教育プログラムの企画・運営
ツアー商品の開発
エコツーリズム推進業務
保有資格
学芸員
自然体験活動指導者(NEALリーダー)
プロジェクトワイルド エデュケーター
ひとこと
もともと自然が好きだったため、対馬の動植物はとても魅力的でした。
実際に移住すると、期待を上回る面白さ!
環境だけでなく、歴史・文化・食・国際問題など、多くのトピックにあふれ、飽きることがありません。
掘れば掘るほど惚れる島です!(笑)


佐藤 結花

さとう ゆか
佐藤 結花
教育事業部
担当している仕事
教育旅行プログラム開発
学校関係者向け営業
ツアーガイド
対馬と学校を繋ぐ コーディネーター
略歴
九州大学文学部卒業後、約10年間福岡県、広島県の高校英語教員として勤務。
SSHやユネスコスクール等各校の特色に応じた研究・教育活動の指導や、SDGsの視点から課題の発見・解決力を培う英語授業、平和学習、環境教育、探究学習プログラム開発を行う。
対馬の歴史のスケールに魅了され、このたび祖母の家のある対馬へ孫ターン。
高校地歴の免許も現在取得中。
ひとこと
対馬の歴史は日本の歴史そのもの!と言っても過言ではありません。
国境の島・対馬の歴史と人々の暮らしは、現代を生きる私たちが未来に向けて学ぶべき教材の宝庫です。
長きにわたる大陸との交流の歴史が、日本を作りました。
国境に生きた先人たちの生き方に思いを馳せ、今を見つめてみませんか。
申し込みのながれ
【お問い合わせ】
離島留学(対馬市島っこ留学)は、対馬市島っこ留学推進協議会(事務局:対馬市教育委員会教育総務課)が実施している事業です。
お申込み・お問合せ窓口は、対馬市教育委員会が担っています。
TEL:0920-88-2000
E-mail:t_kyouiku@city-tsushima.jp
【お申込みの流れ】
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STEP1体験留学or事前視察
毎年夏休みに2泊3日の体験留学が実施されます。
これに参加できなかった場合は、任意の日程で事前視察を受け付けています。 -
STEP2申し込み
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STEP3留学可否の決定
留学の動機や定員等を勘案し、協議会で留学の可否を決定します。
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STEP4里親の決定
弊社代表川口の他にも、里親がいます。どの里親のもとで留学することになるかが決まります。
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STEP5転出入(転校or入学)の準備
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STEP6留学の開始
